【終】警察にお世話になった話をまとめてみる(4)

あらまし

筆者は大学入学以降、恥ずかしいことに6回ほど警察のお世話になっています。 人より多いのか少ないのかはよくわかりませんが、笑い話として提供したいと思います。

過去記事の一覧はこちら。 記事一覧 - Baggage Claim

繰り返される過ち

これまで時系列に警察にお世話になった話をしてきた。 2015年をかわぎりに2017年の5回目まで、だいたい年2回というハイペースを維持してきたのだが、 そこから一転、18年と19年は全く警察と関わりなく過ごすという誰もが羨むであろう平穏な生活を送った。 オリンピックイヤーの2020年もそんな年になるはずだった。

2月下旬、例によって特割ワンウェイを覗いていたところレア玉のシエンタを発見(いつか書きます)し、予約。 ひとり好天の山形にドライブにでかけた。 サウナに寄ったりお得なキウイを発見して買い込んだりと、完璧すぎるほどに完璧な休日を終えようとしていた。 f:id:pur_usupr:20200229134906j:plain

事件はやまがた中部にある道の駅おおえで起きた。 返却時刻が迫っており、高速に乗るべくETCカードを財布から取り出そうとしたときだった。

--財布がない--

めちゃくちゃ焦った。 かばんのなか、ダッシュボードやドアポケットの中にも見つからなかった。 そもそも、最後に財布を見た記憶が曖昧だった。 ドライブ中は、だいたい携帯と小銭入れがあれば事足りるため、わざわざ財布をクルマから持ち出すほうがリスキーだと思っていたのだ。 一方、道の駅などで何回か休んだ時にクルマの施錠をちゃんとしたか、これも記憶が定かではなかった。 刻々と迫る返却時刻を前に、焦りは募る一方。結論が出るまでにそうそう時間はかからなかった。

--財布を落とした(もしくは盗られた)--

ここからの手際は我ながら大変良かった。 あとあと大いに反省することになるのだが、もう少し冷静に財布を探してから結論付ければよかったのである。 タイミングを間違えている。

まず、レンタカー会社に連絡し、返却時刻に間に合わないことを告げる。 財布の中には免許証も入っていたので、財布が見つからない限りそもそも運転ができないからだ。 電話の向こうからは当惑した感じが伝わってくる。まだまだ数少ないアプリ会員であるからだろう。 こっちだって焦っている(ドンキで落としたときよりも焦っていた。不慣れな土地だからか。)。

次にポリスメンに電話。 手慣れたものである。

筆者「もしもしポリスメン?財布失くしちゃってレンタカー動かせない」

筆者「わんちゃんどっかでクルマから取られちゃったかも」

ポリスメン「すぐ行くヨ」

ポリスメンを待つ間、不正をされてはならんとクレカを爆速で停止。 これ、いい経験になったので今度記事にするつもりなのだが、 SMBCVISAカードはアプリ上で使用の停止と再発行手続きが完了するのに対し、 JCBカードは電話が必要だった(結構待たされた)。

ETCカードを取り出そうとしてから30分、ポリスメンが到着。 なんと覆面パトカーに乗った強面の刑事さんだった。過去5回を思い返しても、刑事さんを動員した例はこれまでにない。 もうひとりもおそらく刑事さんで、目がくりくりとしている。 悪いことをしていないとはいえ、緊張せずにはいられない。自分でも笑いたくなるほど声が震えている。

ところがこの後、あっという間に事態は終息を迎える。 ぷるぷるしながら強面さんに身分や訪れた場所もろもろを伝えていると、 「これじゃないっすか?」という声。 ハッと見ると、くりくりした方の刑事さんが片手には巨大な懐中電灯を、そしてもう片手には見慣れた財布を持っていた。

あっっっ!!!

思いがけない展開に思わず座り込む。そう、財布は助手席の下にあったのである。 確かに、助手席の下は探していなかった。というか、そこまで財布が吹っ飛んでいくシナリオを頭の中に描くことができなかった。 しかし、いくら想像ができなくても、せめてクルマの中くらいはくまなく探しておくべきだった。 少なくとも、警察とカード会社に電話をする前に。

刑事さんは優しかった。 見つかってよかった、と繰り返し励ましの言葉を送ってくれた。 貴重品は気にかけて持つようにね、というアドバイスに深々と頭を下げた。 さっそうと帰っていく姿を見送ったのち、さすがに無力感に見舞われ、30分ほど暗い道の駅でボーッとして過ごした。 友人や家族に今起きたことを伝えるべく電話をかけまくった。 笑い飛ばしてくれる友人もいれば、似たような失敗談を教えてくれる友人もいた。皆優しい。 親からは諭しを受けた。ありがたく言葉を頂戴した。

結局、失ったものはレンタカーの延長料金。無駄にシエンタを借りていたのでちょっとお高くついた。 カードも使えなくなってしまった。スイカもApplePayでチャージしていたので、何年ぶりかの現金生活となった。 カード払いが原則のレンタカー店だが、こちらの事情を汲んでか快く対応してくれた。皆ほんとうに優しい。

教訓:冷静になるタイミングを間違えない

しばらくは警察のお世話になることがないよう、 注意深い生活を贈りたいものである。