仙台駅の西口が東側にあったらよかった

あらまし

今日はシリーズ物はお休みし、一話読み切りの雑談を書きます。

過去記事の一覧はこちら。記事一覧 - Baggage Claim

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仙台駅といわれて、多くの人は茶色の横長な駅舎とその前に広がるペデストリアンデッキを思い浮かべるだろう。よくテレビなどにも登場するこの眺めは、仙台駅の西口である。東北の中心地を名乗るにふさわしい堂々とした構えである。

一方の東口は、西口の半分くらいのスケールで、いささか寂しい。東西自由通路とテルホトロメタリポンの開業によりいくらか存在感が増したとはいえ、なんならヨドバシカメラ口という名前でもよい。

ところで、新幹線の伸びやかな姿を目にすることができるのは東西どちら側であろうか。答えは西口である。ガラス張りの内側に新幹線が止まっている様は、まるでおもちゃのショーケースを眺めているようである。そして動き出す姿を見ると、ああ、彼らは故郷を離れ上京するんだな。。。と感傷的な気分になる。

 

。。。というのが根本的に間違っていることに仙台市民はお気づきであろう。そう、西口から左に向かって走り出す新幹線の行き先は「北」なのである。函館、新青森、秋田、盛岡、もしくは利府の車庫。もしかしたら八戸行きとかもあるのかもしれない。しかし問題は行き先ではなく、それらが東京と逆方向に向かっていくという点にある。もし東側に西口の光景が展開されていたとしたら、そこで左に進む新幹線は「南」に向かうことになり、筆者の認識と一致する。仙台に住んで早5年、この思い込みと実態が噛み合わないことにずっとモヤモヤし続けている。これが今日のタイトルの所以である。

 

 なぜ筆者が駅を正面にしたときに目にする新幹線の行き先に東京方面を期待するのか、少しだけ考察してみたのでご紹介。

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これは盛岡駅で東京方面の電車を待つホームの風景である。ガラス張りの内側から、にぎやかな町並みが見える。そう、盛岡駅は西側が栄えておりこの雰囲気は仙台駅で北行きの新幹線を待つときのものと酷似している。幼い頃、両親の実家に帰省するために決まって盛岡駅から新幹線に乗車していた。そのため、駅舎の内側から町並みを見下ろすというシーンが東京方面の新幹線に乗るときのものとして頭に染み付いているようである。

これは筆者の第2の地元、三島駅の北口である。三島駅は北口側からしか新幹線の姿を目にすることができない。そしてそれは必ず東、すなわち東京に向かう便である。駅前から見上げる新幹線が東京に向かうものであるという認識は、三島駅のこの光景に由来すると思われる。

 

しょぼい考察でまとまりのない感じになってしまったが、とにかく筆者は仙台駅の西口から見える新幹線に東京方面に向かってほしいのである。右向きに進めばええやんというわけでもなく、左に進む新幹線に東京に行ってほしいのである。だがそれはどうあがいても叶わない。とりあえず次に住む街は、自分の中の向きに関する認識と実際のそれが一致する街にしようと固く心に決めている。