周波数オークションについて調べてみた

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周波数オークションとは、 政府が電波の周波数帯を通信や放送事業者に割り当てる際に使われる競争入札制度である。 細かいメカニズムについては割愛するが、 基本的にはある周波数帯を複数の事業者が狙っている場合に最も高い入札額を提示した事業者がそれを割り当てられる。

周波数はその高低で大きく性質が異なる。 例えば、基地局が少なくて済むような周波数帯を確保できればそれだけ建設と維持にかかるコストを抑えられるため、 よい周波数(プラチナバンド)を確保できるか否かは事業者の業績に直結してくる。 そう考えると、オークションを通して周波数を割り当てるというのは公平性の観点からは自然な発想であり、実際に先進国のほとんどがこの制度を導入している。

日本では残念ながらオークションは導入されておらず、比較制度方式がとられている。 ざっくりとした理解として、総務省がどのバンドを誰に割り当てるか決めるものと考えればよい。 総務省がこれを公平に(極端な例を言えば、新規事業者に対してプラチナバンドをわりあてるなど)やってくれればよいのだが、 どうもそうなっていないというのは日本の通信市場がドコモ・KDDIソフトバンクの寡占状態であることから容易に想像できる。 競争を促すべき立場にある官庁がこれをやらない理由というのは、NTTグループ天下り先として機能しているからにほかならない(つまりは官庁と事業者の癒着関係)。

これが回りまわって、バカ高い上に不明瞭なケータイ料金の負担を国民に強いていると思うと、まあ腹が立つ話である。 楽天にはがんばってほしい。

【参考】 e-words.jp

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